簿記と漫画の思い出

人生で初めて、仕事でレジを使いながら金銭の受け渡しをした時の思い出。
少額な上に電卓を使っていたけれど、とても手間取った。モバイル決済は登場したかしないかの頃で、カード決済すらマイナーな土地での話である。
その時自分は、計算が早くなればもっと手際よくお客さんとやり取りができる!と考えた。

そこで、簿記を学ぶことにした。数字が書いてある→計算をする→計算が早くなる!位の理由であった。
ところが簿記は計算の速度向上と全く関係がなかった。レジのアルバイト程度では帳簿に触れることはないし、資格試験では電卓を持ち込んで計算するのだった。そろばんを学んだ方がよほど効果的だったかもしれない。

簿記では、貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)というものが使われる。英語では balance sheet (バランスシート)と呼ぶ。「漫画で学ぶ!バランスシート」という経済漫画が父親の本棚にあり、勉強がてらパラパラとめくった。
正確な題名は曖昧なのだが、記憶の糸を辿ってそれらしきものを見つけた。

主人公が友人と一緒に会社を立ち上げ、帳簿付けに四苦八苦していると謎の美女が手を差し伸べてくれる。美女は会計の知識があり、主人公達にバランスシートの書き方を教えてくれる。最後に主人公と美女は恋仲になり、「恋のバランスシートも大切に……。」というオチで締めるのであった。
貸借対照表の知識はほとんど身につかなかったが、各所に挟まれたエッチいシーンとオチの「バランスシート」は脳裏に刻まれたのだった。
余談だが、昭和〜平成初期に刊行された他の経済漫画でも色気要素が入っていた。ノルマがあったのだろうか。