絶望なのか希望なのか

定期的?いや慢性的に対人関係に悩んでいる。特にひどく迷った時に読んだのがこちらの2冊。

「幸せになる勇気」は、前作「嫌われる勇気」を読み終えたころにちょうど発売された。前作は個人的に希望ある締め方をしていたのだが、今作「幸せ〜」でそんな気持ちは吹っ飛んだ。
この本にやさしくて甘い言葉をかけてくれる「希望」はない。現実はあまりに厳しい(そんなの当然!という声が聞こえる)。

「幸せ〜」の読後感に似ていたのが、「みんなちがって、みんなダメ」。

「君たちはどう生きるか」のアンチテーゼとなっている、イスラム教観点の1冊。表紙イラストは意識しているんだろうなあ。
よかったのはイスラム教が生まれた背景を例に、イスラムの教えが語られているところ。イスラム教ならではの和みや他者との付き合い方が記されていて魅力的だった。
イスラム教の、ごく一部の過激な面が強調されて報じられる中で、本当にそれが全てなのだろうか?と疑って、自ら考えることは意識していないと忘れてしまう。例えベストセラーであっても、当時や作者を取り巻く環境からして伝えたいことは、現代にそのまま置き換えていいのか?時代背景を踏まえた上で、もう一度読むとどう感じるだろうか?と問いかけなければならないのである。

両書籍から受けたメッセージは「理想や頭の中だけで語るな、現実を見て行動しろ」だった。もっともなのだが、このメッセージをしかと受け止めるだけの基礎精神が成り立っていることが前提である。理想と現実の両輪が備わっていればよいが、基礎がガタガタだと誤った捉え方をしてノイローゼになる。言いたいことは分かるのだけれど、受け入れがたい……(そしてまた理想または現実片一方へ走る)となった。
確かな精神を持ちながらも一時的に彷徨っているような人に薦めたい。