趣味の世界でも毒親に当たる

とある漫画を読んでいたら、巻が進むにつれ親子問題が深刻になっていた。

「トクサツガガガ」はタイトルの通り特撮が話の中心で、主人公は特撮好きのOL・仲村さん。仲村さんが特撮を好きなことを彼女の母親はよく思っておらず、それを理解しているから仲村さんは親に自分の趣味を隠している。
序盤の親子対立はギャグ要素もあり、「可愛いもの(=女の子らしいもの)」しか認めない母vs特撮(=男の子っぽいもの)にのめり込んだ娘、程度だった。
しかしだんだん根が深くなり単なる好みの違いで済まなくなる。これ毒親あるあるだー!とツッコまざるを得なくなるのである。

12〜13巻ではついに正面から親子対決。
母親がここまで娘の趣味を否定するのは、母自身の「我慢」が爆発した末なのでは?と主人公は考え始める。本当は母親が可愛いものに囲まれたかったのが、育児や諸事情で諦めた。でも心からは諦めきれず、知ってか知らずか子ども達に自分の望みを託していたのであった。
親の我慢・不満が子どもに反映される様は、エッセイ漫画の「母がしんどい」を思い出さずにいられなかった。
なお仲村家は息子(仲村さんの兄)と娘が両方いるが、見事に二人とも母親の期待に逆らって各自の趣味をエンジョイしている。兄ちゃんが仲村さんの理解者であって良かった。

毒になる親を題材にしていると明らかに分かって読む分にはダメージは少ない。
今回は完全に趣味で、親子問題と切り離して読んでいたところに不意打ちを食らった。読後が心なしか重たい。
それでも特撮ネタが重さを中和してくれた。この作品はあらゆる困難を特撮に例えて打開していくのだ。趣味は救いの神である。