過剰な期待

初めての場所に行くと、さぞかし強張るかげんなりした顔をしているのだろうなと想像する。少なくとも内心はそうだ。
期待しすぎるきらいがあって、あーどうせダメでしょ、精神で出向いた方が何かとショックが抑えられる。実際に何かあっても、まあこんなものだよねと諦めがつくのである。

人にも物にも、きっとこれはとても輝いて見えるものだ!と心踊らせた時があり、いざ実物を見て黙ってしまったことは多数だ。
物なら通販で頼んだケーキ。冷凍で届いて、箱を開けたら思い描いたものより小さくて、カチコチな状態から食べられる状態になるまで時間がかかる(解凍する手間がいるのだ)ことに、ひどくがっかりした。
迷惑な客である。鮮度を保つために考え出された方法だろうし、技術の進歩と共に状況は変わっているだろう。
物に対してだけならまだいいが、人に対しても過剰な期待をするとお互いに不幸である。勝手に「◯◯さんはこうだ!」と思い込まれた相手は面倒極まりないと思う。

5年ほど前までは過剰な期待を四六時中注ぐエネルギーが余っていたけれど、今になり少しずつ削げてきてちょうど良い塩梅になりつつある。主観的なので断言はしがたいが。
思いやりだとか客観的な素養が欠いていて、亀の歩みで身につけている。知らないことはまだ山ほどある。
そういった人生経験は本当は子ども時代に積むのだろう。残念ながら、生まれながらに恵まれることも自ら求めることもしなかった結果、時間をかけて経験することになった。